部署の枠を超えた協力体制と文化を実現

コロナ禍でも44期目にして過去最高利益を達成!

株式会社丸山製作所

株式会社丸山製作所 代表取締役 丸山智正

 

創業    1946年10月

      1961年10月 合資会社丸山製作所 設立

      1976年10月 株式会社丸山製作所 設立

資本金   3,000万円

従業員数  37名

事業内容  屋外遊具、公園施設製品、遊具点検保守事業、

       都市景観製品の開発・設計・製造・販売・設置工事事業、

       屋内福祉製品の開発・設計・製造・販売・設置事業

部署間の不仲に伴い、社内の雰囲気が深刻な状態に……

コミュニケーションを改善するために組織コーチングを導入

――御社の事業内容について教えてください。

弊社は公園施設製品、特に遊具で始まった会社で、私の祖父が創業いたしました。現在は、都市公園の遊具や休憩施設製品などを作っております。他には地元である東京都や江東区の景観整備事業にも20年ほど前から携わっています。

 

――導入前の状況や問題意識と、なぜ導入したのかについて教えてください

1年半前になりますが、導入前はとにかく社内の雰囲気が悪く、社員同士のコミュニケーションがうまくいっていない状況でした。

営業、工場、設計、点検などの部署があるのですが、部署間の仲が良くなく、お互いへの愚痴や不満、疑心暗鬼があふれている、今考えると深刻な状態でした。

 

――その状況から、どういう経緯で導入に至ったのでしょう?

知人の紹介から段原コーチにお会いしてお話を伺い、それから組織コーチングについて調べました。しかし、実際に導入するかはかなり悩みましたね。私が「やります」と行った時、ほぼ全社員が「本当にやるの?」という後ろ向きの反応だったので、これは難しいだろうなと当初は感じていました。

承認し合い、意見を出しやすい環境をつくることで、

部署の枠を超えた協力体制を実現

――最も大きな変化について教えてください。

部署の枠を超えた協力体制ですね。そもそも部署の枠を超えたカテゴリーで集まったことがなかったし、集まっても我々だけでは壁を破れなかった。

少しずつ何カ月もかかってですが、コーチングを受けることで部署間の壁が崩れた。それが一番大きな変化です。

 

――部署間の関係が導入前と現在ではどのように変わったか、具体的に教えてください。

仕事で部署が協力体制を築けないだけでなく、昔は仕事以外でもお互いに全く無関心でした。部署内だけで飲み会などはあっても枠を超えてはなかったですし、その中で他部署への愚痴も多かった。

それが今は、部署を超えて協力できますし、会を開くと社員みんなが参加するようになりました。

このご時世なので、会議や発表をリモートでやることもあるのですが、リモートでも楽しそうにみんな話していますね。社内の雰囲気自体がすごく変わりました。

 

――そうした変化は、何によって起こったと思われますか?

“承認”だと思います。

昔は社内全体に「何か意見を言ったら馬鹿にされる」というような雰囲気があって、誰も意見を言えなかったんです。

それが、まずコーチングの会議参加メンバーから「誰も馬鹿にしないし、どんどん意見を言って良いんだ」という認識に変化していき、朝礼などを通してそのことを他の社員にも広げていきました。

もちろんすぐには浸透しなかったので、スローガンを決めたり壁にそれを貼ったりして、1年かけてやっていくことで変わっていきました。

また、そうやって時間をかけて変化することで、「みんなで決めて何かをやれば、ちゃんと変わるんだ」という実感が得られたことも大きかったですね。ただ言葉で「お互いに承認しよう」とだけ言っても伝わらなかったんじゃないでしょうか。

社内の雰囲気や環境が本当に良くなり、みんながそれを肌で感じたからこそ、だんだんと多くの社員が「自分も変化しなくちゃ」という意識になってくれたんだと思います。

コロナ禍でも、会社創立以来の過去最高利益を達成!

問題が起こっても、みんなで協力して解決しようとする文化が醸成

――数値的にはどんな変化が起こったか教えてください。

コロナ禍にも関わらず、売上も利益も前の期を超える数字を達成することができました。売上は昨対37%増、粗利益も44期を通して過去最高を達成しました。

過去に売上が高かった時は、利益率が悪い仕事も受注していたため、結局利益は非常に悪かったんです。それに対して、前期は粗利益が44期を通し過去最高を記録しているので、数字にもはっきり効果が表れていると思います。

 

――過去最高利益は素晴らしいですね!数値的な変化が表れたのは、会社や業務のどこが変わったからだと思いますか?

数値上の変化に関わる象徴的な出来事としては、部署を超えて協力し点検業務を行ったことがあります。点検業務は利益率が良い一方、非常に手間がかかる業務です。それを今までは点検班の限られた人数だけで行っており、彼らのキャパを超える仕事量はできなかったんですね。

それが今は、営業や工場のメンバーも全員が手伝って点検班を組んでくれるようになった。もちろん、点検が通常のメンバーだけでは間に合わない時や、営業や工場も余裕がある時に調整して手伝うのですが、そのおかげで通常2班体制の点検班が最大6班体制で回せるようになったんです。

実際に今年の1月に3月末納期の点検業務を受けていたのですが、担当者は「このままだと3ヶ月以上かかるから絶対に間に合わない」と悩んでいたんです。しかし、他部署も協力することで、それを2月末には終わらせることができました。

 

――それはすごいですね!

以前だと、点検班のキャパを考えて営業が点検業務の受注を控えるなんてこともあったんです。

それが今はみんなで協力すれば受けられるようになったので、そうなると営業も積極的にどんどん受注するし、その結果お客様にも感謝される。そうした変化が数字にも表れましたね。

 

――そうした協力体制は、以前だと難しかったのでしょうか?

昔はなかったです。「うちは忙しいから手伝えない」「点検は点検班の仕事でしょう」で終わりでしたね。

以前に同じような状況だった時は、仕方なく外注に入ってもらって間に合わせていました。でもそうするとコストが増えて利益率は下がる。それでも点検班が営業部に「手伝ってください」なんて、とても言えない雰囲気だったんです。頼む側も「どうせ断られるだろう」と思っていましたし。

それがコーチングを受けたメンバーから変わっていって、少しずつですが、問題が起こった時にみんなで協力して解決しようという文化が芽生えてきたと感じます。

変化を受け入れられず去っていく社員も

その結果、不思議なくらい社内の雰囲気が良い方向に

――社内が変化していく中で、変わったことはなんでしょうか。

段原コーチから「コーチング導入することのメリットの一つに、方向性が実は合ってない、どうしても変化しようとしない社員が明確になることがあります」とも聞いていたんですが、実際に導入後1年間で3人が自主退職や定年再雇用なしで辞めていったんです。

その3人は導入に反対していたのですが、コーチングそのものがどうというより、変化を受け入れ新しいものに挑戦するということができずに去っていった印象を受けました。

彼らがいなくなったことで困るかと思っていたら、不思議なことに、むしろ良い方向にいったんです。

 

――他の企業様でも「あの人が辞めると困るんだよね〜」と言われることがあるんですが、殆どの場合「雰囲気が一気に変わった。あれが一番の成果だった!」と言われたりします。御社で良い方向にいったのはどんな部分だったのでしょうか?

辞めていった中には、ベテラン社員の方が複数いました。お恥ずかしい話なのですが、辞めたベテラン社員がいた時は、他部署の人間と仲良くしているだけで、彼らの機嫌を損ねて変な雰囲気になっていました。

それが今は気を遣うことなく、部署を超えて和気あいあいとコミュニケーションがとれるようになりました。

また、ベテラン社員が抜けることで部の柱を失うのでは、という懸念もあったのですが、今の幹部や他のメンバーが頑張ってくれたこともあり、大きなダメージはなかったんです。風通しが良くなったことのメリットの方が大きかったですね。

 

 

――変化が発生していくにつれて、変化をしたくない人が辞めていったということですかね。これらの変化について、社長はどう思われましたか?

導入前には確信がなかったのですが、今思えば変化を求めていたんだなと思います。

社内の雰囲気を改善したいと考え組織コーチングを導入し、その中で「みんなで協力するとはどういうことだろう?」と考えるようになったんです。

それは単なる仲良しクラブではなく、みんなで同じ目標を見て進んでいくことなんじゃないか、例えルートは違っても同じ山の頂上を目指すことが、それぞれに違う仕事をしていても同じ目標を見て協力することじゃないか、と思ったんです。

そうすると、「みんなで一緒にこの山を登ろう」と言った時に「いや、この山は登りたくない」という人がいても、「じゃあ、あなたは他のところで別の山を登ってください」と整理がついてきて。だから辞めていった3人の社員ともお互いにすっきりと話をした上で、こちらも恨みや妬みもなく「わかりました」と素直に言うことができました。

「みんなが気持ち良く過ごせる環境をつくろう」という意識が社内に根付いた

――丸山社長から見て、どのチームが大きく変わりましたか?

営業部は変わりましたね。昔は自分の受注成績が良ければいい、後はみんなできることだけやればいいでしょう、という感じだったんです。それが今は、営業部全体のことを考えてみんな適材適所で仕事を振るようになり、メンバーからも不満の声はあまり上がらなくなりましたね。

 

――その変化は何によって起こったのでしょう?

組織コーチングを通して、どうなりたいかを考えた結果ではないでしょうか。

どうなりたいか考えた結果、自分がミスした時に素直に謝るとか、前向きに意見を言い合うとか、相手に感謝するとか、そういう部分をしっかりしないといけないということに、だんだん気付いて努力するようになったというか。

それは誰か一人に限ったことではなくて、みんながコーチングを通して少しずつ気付いていったことだと思います。

実際に営業部はベテランが多く、恥ずかしながら先輩がミスしても若手に謝らないような悪い風土があったんですが、その辺りも改善されてきたと思います。

最も変わったのは社長自身。「約束を尊重すること」の大切さに気付けた

――ご自身にはどのような変化がありましたか?

社員のみんなからは、「社長が一番変わった」と言われますね(苦笑)。

振り返るとこれまでの私は、傲慢な部分があったのかもしれないと思います。長年社長をやり、自社だけでなく国や関係機関との基準作りの仕事にも関わるようになり、知らず知らずの内に驕りや慢心があったのかな……と。

それがきっと社内の雰囲気にも悪い影響を与えていたんだと思います。

段原コーチに繰り返し厳しく「社長が先ず、約束を尊重してください」「言葉だけでは駄目です。やると決めたら、実行しましょう」と言われることで、それに気付けたと思います。コーチングを初めて3ヶ月目くらいですね、「変わらなきゃ」と強く思うようになりました。

 

――コーチングを受ける中で、ご自身が変わるきっかけとなった言葉などはありましたか?

「約束を尊重する」ですね。

恥ずかしながら、今までの私は相手を尊重せずに簡単に「変更お願いします」「こっちの方が大事だから優先して」と言っていたと思います。

本来、約束に上も下もなく、誰としたから守らなきゃいけないという順位はないはずなのに、過去の自分は屁理屈をつけて勝手に変えたり破ったりしていた。言われる側の立場を全然考えられていなかったと思います。

約束に優劣も順位もなくて約束は約束なんだ、誰と交わした約束でもそれは尊重しなければいけない。

そして、約束を尊重するためにはいかに努力が必要かということにも気付けました。まだまだ十分にできているわけではないと思うので、「約束」と「尊重」は繰り返しずっと意識しなければと思っています。

みんなが同じ目標に向いて集まった組織の力を実感

コーチングの価値は、成果と達成感を手に入れ、

社員みんなが自分ごととして考え出すこと

――組織コーチングの一番の価値はどんなところにあると感じられましたか?

1人ではできないことでも、組織の力で達成できる可能性が大きくなることだと思います。個々の力がどんなに大きくても1人はやはり1人なので、みんなが同じ目標を向いて集まった組織の力の方がすごいんだ、ということを実感できたと思います。

コーチングを受けることで、「みんなで同じ山に登りましょう」と決めることができて、どうしたら目指す山頂に行けるのか考えられるようになった。

そして、実際に成果が出て「ここまでは来たぞ」という達成感を得ることで、この先も不可能じゃないと思えました。

また、社員みんなが会社の目標や課題を自分ごととして考えられるようになったことも、大きな価値ですね。

 

――素晴らしい変化ですね!その変化を手に入れた、御社の今後のビジョンについて教えてください。

弊社は現在45期目なのですが、50期に向けて「50プロジェクト」という名称でさまざまな目標を立てています。

数値目標もそうですが、それだけではなく、社会に必要とされ続ける集団であるためにどうするか、どうやって技術や人材を輝かせるかなど、行動理念に基づいて進んでいきたいと考えています。

それに関連して今期の戦略的フォーカス(目標)を「2021マルヤマハッピーチャレンジ」という名称にしているんです。みんなで、成長したり幸せを感じたり、そういうことにフォーカスしてやっていきましょう、と。

例えば、最近若手社員が入籍したんです。もちろん独身であっても幸せではあると思うんですが、籍を入れて所帯をもとうというのは少なからず今の仕事に夢を感じてくれているからかな、と思って非常に嬉しかったですね。

数字はもちろん大切なのですが、それより社員ひとり一人が、1日ごとに1年ごとに何かしらの幸せや成長を感じられるように目標を立ててやっていこうというのが、これからのビジョンです。

確実に良い変化は起きる

経営者自身がコミットし変化することが重要

――組織コーチングをどのような企業や経営者の方にお勧めしますか?

導入前は、弊社のような製造業といっても、建築・土木・造園の現場に関わる企業には向いていないだろうと思っていました。

IT産業などこれから伸ばしていこうという企業には有効でも、比較的保守的な業界に属している弊社のような企業には難しいんじゃないか、と。

実際、そうした理由から、組織コーチング導入に違和感をもつ人間も多かったと思います。

しかし、売上や利益の数字以上に、社内の雰囲気や社員みんなの表情を良い方向へ変えていく、そういう部分にこそ大きな効果があるのではないでしょうか。

それを理解した上で、社長自身から変わらなきゃ、と思える企業や経営者の方にお勧めしたいですね。

 

――確実に良い変化は起こるけど、経営者自身がそこにコミットできるかどうかが重要ということですね。

そうです。私自身「社長から変わらないと」と色んなところから言われ続けてきたんですが、なかなか実践できませんでした。そのきっかけとなり、変わるための方法を教えてくれたのが組織コーチングです。

 

――導入を検討している経営者の方に、メッセージをお願いします。

確実に変化は起きます。なぜなら、当たり前のことしか言われないから。

しかし、その当たり前のことをやる難しさは多くの人が忘れがちです。私自身、約束を尊重し承認することなど、当たり前のことがいかにできていないかということを痛感しました。そうした当たり前を、愚直にしっかりとやるという心構えがあれば、変化は必ず起きます。

 

――本日は貴重なお話、ありがとうございました!

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